Moments 14: ひまわり経典~from Sunflower Sutra

 

 

“We’re all golden sunflowers inside.”
– from “Sunflower Sutra” by Allen Ginsberg

 

年に1度、8月に必ず訪れる大好きな場所がある。北海道雨竜郡北竜町「ひまわりの里」。23.1ヘクタールの畑に150万本ものひまわりが植えられており、地元はじめ国内外の観光客の笑顔を美しいゴールデンイエローに照らしている。

100円以上の支援金を寄付すると、ここで採れたひまわりの種をもらえる。これを家に、町に、国に持ち帰って植えれば北竜のひまわりが世界中で花開く。旅の思い出が毎年夏が来るたび庭に咲く。何と素敵な夢だろう。

アメリカの詩人、アーレン・ギンズバーグが “On the Road” の著者ジャック・ケルアックに捧げたと言われる “Sunflower Sutra(サンフラワー・スートラ)” の一節で「私たちはみな黄金のひまわりだ(心に黄金のひまわりを咲かせている)」と謳っている。

「内なる己」をテーマとした叙情歌の中で彼は、世知辛い現代社会に生きる私たちに「君たちは、自分が黄金色のひまわりだと言うことを忘れてしまったのか」と問いかけ、また「君たちはひまわりなのだ」と諭している。150万本のひまわりが夏風に揺れるのを眺めながらこの詩を思い出しては帰り際、口元に笑みが浮かび心の凝りがほぐれていることに気づく。

終戦記念日が近い。戦争を知らない私たち一般人にできる最もシンプルで優しい平和活動は、今あるたったひとつの命を大切に、一度きりの人生を使いきるべく楽しみ、誰かの微笑みを壊すことなく心にひまわりを咲かせ、枯らせないように水を与えて穏やかに生きていくこと。こんなことでよいのではなかろうか。

「きれいごと」と言われてしまうだろうか。

11.5 million stems of sunflowers at “Himawari no Sato/Sunflower Village”
in Hokuryu Town, Hokkaido

 

北竜町ひまわりの里公式サイト

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