10月下旬、起きると町が白くなっていた朝、ふと山の様子を知りたくなって隣町・東川町の北海道の屋根「旭岳」まで走ってみることにした。我が家から車で50分ほどだ。
北海道の雪は人気のニセコのみならず道北の内陸もまたさらさらのパウダースノーで知られるが、冬の初めはまだ水分を多く含むため、道内テレビ放送局のニュースキャスターは「東京の雪」と紹介していた。
朝は路面も真っ白だったがお昼前にはすっかり溶けていた。雪も降り、今年の紅葉もいよいよ見納めの頃を迎えた。
秋が、もう少し長ければいいのに。
程なく前方に車の雪下ろしをしている男性を発見。上はかなり積もっているもよう。
木々の枝に雪が載って少しずつ冬が見えてくるも、まだ秋と言えなくもない。
ぐんぐん車を走らせていく。そして。
秋と冬の境は、600m地点を超えた辺りにあった。
時折薄日が差すと、この光がまるで雪をふうっと吹きかけ、木々を白く染めていくかに見える。自然でなければつくることのできない美しさ。
新しい季節の入口に立った気分。
「標高800m辺りからぐっと景色が変わるよ」という夫の言葉は確かなのだが、今シーズンは私たちの出足が遅かったようだ。
秋は600mで終わり、800mの辺りはもう12月が来たかのよう。
標高1500m地点、ロープウェイ駅に到着。
小雪の舞い散る駅周辺は-6℃、森は長い冬の眠りに就いた。
日本で一番早く冬の訪れる旭岳。屋根の氷柱もだいぶ伸びて、スキー客を出迎える準備は着々と進んでいる。
私はこれを確認して、さあ、冬から晩秋へと逆戻り。