“Precious” by Esperanza Spalding
今日はささやかな朝のおすすめ、のお話。
夜型人間のくせに私は朝が大好きだ。これまでの長い人生で気持ちの沈んだ朝を迎えた記憶が殆どない。失恋しようが仕事で徹夜しようが、朝はなぜだか機嫌が良い。
そして私は平日朝食を摂らない。たっぷりのお茶とフルーツのコンポート&ミューズリーを加えた少量のヨーグルトのみである。が、ここ2週間は先月の多忙が祟り胃を悪くしているためミューズリーは抜いている。
世界中が健康志向を高めていく中、甘味料の見直しも進んで嬉しい限り。白砂糖を使わないという人も増え、我が家もカロリーなど気にしつつ、砂糖の代わりにメープルシロップやオリゴ糖を使っている。
GI値というのがある。Glycemic Index(グリセミック・インデックス)、食後血糖値の上昇スピードを表したものだそうで、食べ方によってずいぶんと変わるのだそうだ。
例えば、米などは精白米よりも玄米の方が食物繊維やミネラルが豊富なためGI値は低くなり、甘味料においても、身体に良いとされるハニーはミツバチが果糖とブドウ糖に分解したもののためGI値が高く、メープルシロップは樹液が原料なので低いという話だ。
小さい頃から”my honey dipper” を持つほどハニーが大好きだが、これを知ってから摂取を控えるようになった。
ハニーに代わって私の「朝の約束」となったのが、イタリアのオーガニックジャム・ブランドRigoni di Asiago社の “Dolcedi” ドルチェディというアップルシロップ。30年間マクロバイオティクスを実践し続けている友人から薦められたもので、100%オーガニックアップルで作られている。
無色透明で甘みが強く、りんごというよりそれこそハニーのような味わいがあるが、GI値が砂糖よりも20%低いという。正直なところこれだけ甘くコクがあると「ほんとかなあ」と呟いてもしまうが、原料のりんごがオーガニックであるところだけでもポイントは高いでしょう?
食生活も、おいしいだけでなく楽しく美しく、そして賢くありたいものだ。これはなかなか良いのではないかと思っている。
ほんの少しの朝食を終えてゆっくりできる朝のお茶は、20年以上愛用しているWilliams Sonomaのカフェオレボウルで飲む。このカップの何が好きかって、ティーポット1杯分が入るキャパシティ。おなかの辺りに抱えて読書をしながらいつまででもお茶をすすっている。
そして傍らにはモリエールの「人間ぎらい」。好きなものをたらふく食べられない恨みをアピールしているわけでは決してない。
それでは新しい1週間もどうぞお元気で、お幸せに。