ようやく春の足音が聞こえ始めたホームタウン、旭川。雪解けも進んで道路が見えるようになった。日差しも幾分暖かくなって、これから散歩が楽しくなる。
その前に、長い冬の締めくくり。
朝晩はまだ-15℃程度まで下がっていた旭川であるが2月28日のこの日はよく晴れて日中は-2℃まで上がり、気持ちが春めいて散歩をしようと旭川の誇り、常磐公園を訪れたのだった。
公園内は、除雪された散歩道を除きこの4,5カ月間に降り積もった1mを超える雪が一面に広がって、あらためて道北の厳しい冬を振り返らせた。
カメラを提げた夫が木の上に残った雪を見て言った。
「動物だ」
なるほど辺りを見回してみると、見える見える、気に登って昼寝をしている動物たちが。ここはまるで、純白のサバンナだ。
木登りしているか、あるいは下りようとしているかで微妙に動物の種類が変わってくる。左を頭とすると小象に見える。
生まれて間もない子供たち、と思って見てみるとかわいらしい。
しっぽを垂らして枝の上で眠っているライオンの姿などはまさにサバンナ。
ね、こんなふうに。
どれも同じに見えるぞと言われてしまいそうであるが、個人的にはこれがこの日のベストショット。パンダに、パンダに見えません?
シャンシャンとまでは言わないが、今にももそもそと枝を伝って下りてきそう。
もはやアフリカに留まらず、ブレまくりのホワイト・サバンナである。
冬季旭山動物園のアイドル、ペンギン。今にも海に飛び込みそうな姿がかわいい。
今、「あ、ほんとだ~」って思いませんでした?
番外編は、北海道の開拓に尽力し初代北海道庁長官となった岩村通俊(Ⅰ840-1915)の銅像。彼は旭川が秘めた将来への可能性を見通し同市を東京、京都に次ぐ都にと推していた。
もしもこの構想が実現していたら北海道の道庁所在地は札幌ではなく旭川になっていたかもしれないという夢のような本当の話。
このような立派な人物を茶化すようで気が引けるが、どうにも岩村氏がバレエのtutu を履いて立っているように見えて仕方ない、と言ったのは私ではなく我夫である、と言い訳させていただこう。
これはもう生きものではなく、よれよれのお化け。
とまあ、見方によってはおもしろい木の上の雪を眺めながら大いに笑い、寒い中たっぷり2時間散歩を楽しんだ、良い休日であった。
そして最後に見つけたのは、エゾヤマザクラの小さな小さな蕾。常磐公園の桜の開花予想日は、今年は去年より少し早いか、5月4日。