Tag: Memphis
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Signs #1: Heartbreak Hotel
“Heartbreak Hotel” by Elvis Presley 旅先で、また暮らしの中でもふと目につく看板やシンボルがある。それは特別私に関わりのあるものでなくてもどこか気になり、好きになり、「あのサインを見ると心が晴れる」「この看板の下に立つとイヤなことを忘れられる」そんなふうにいつしか心のお守りになっていたりすることもある。 本当のことを言えば、特別エルヴィスが好きだというわけでもない。けれどアメリカにいる限りこの人の存在を100%スルーして生きるなどできないのだから、やはりKingと言われるだけの存在なのだ。 そして「特別好きでもない」とか言いながら彼の歌なら何曲でも歌えるし、メンフィスを訪れるたびやっぱりGracelandに立ち寄ってしまうし、エルヴィスの好物だったというバナナプディングだって作れちゃうのだから、調子の良いことに実はけっこう好きだったりするのかもしれない。 Elvisの名曲 “Heartbreak Hotel”は、こんな歌。 Well, since my baby left me / かわいいあの子が僕のもとを去ってから I found a new place to dwell / 新しい住処を見つけたんだ Well, it’s down at the end of Lonely Street / ロンリー・ストリートの突き当たり At Heartbreak Hotel / ハートブレイク・ホテルさ Where I’ll be, I’ll be so lonely baby / 寂しいよ、寂しくてたまらない…
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Street Tales #1: Beale Street
“All Your Love” by John Mayall & The Bluesbreakers w/ Eric Clapton(1966) 1990年代初頭だからかれこれもう30年近くも前の、我が夫Mattの話。 当時グリニッチ・ヴィレッジにThe Bottom Lineというヴェニューがあって彼も私もよく足を運んだ。残念ながら2004年に30年の歴史を閉じたのだが、実に多くのミュージックシーンがそこで生まれ、今も語り継がれている。 authorized by WNYC 確か、今日のように暑い日の午後。Mattがひとりワシントン・スクエアを歩いていると、彼の着ているTシャツを指差して見覚えのない男性が近付いてくる。そして、 「おお、それうちの店だよ」さらに、 「気に入った。今夜ボトムラインで友達が演奏するからおいでよ」 黒いTシャツには白字で “Rum Boogie Cafe” というロゴが入っており、着ている本人はその店で買ってきたわけでも、また別段何を意識して着ていたわけでもなかったものだからただ驚き、彼の差し出すチケットを言われるままに受け取った。 その日の夕方ボトムラインへ行くと、昼間会った自称「Rum Boogie Cafeのオーナー」は店の奥で誰かと話をしていたが視線が合ったので手をあげて礼を言うと彼も笑顔で手を振った。 彼の言っていた「友達」がブルース・ロックのレジェンド John Mayallだと知って、Mattは街角に転がっていた幸運を拾ったような夢心地で演奏を楽しんだと言う。 その話はここでおしまいなのであるが、数年後、旅行中メンフィスに立ち寄った時、黒に白字で店のロゴが入ったTシャツを思い出してBeale Streetを歩きながら当時の夫の話を聞いていると、 「あ、ここだ」 Rum Boogie Cafeは、トワイライト・アワーにネオンが美しく映える、居心地の良いブルース・バーだった。 実のところ、夫はその男性の言うことを話半分に聞いていたと言う。ニューヨークには人の数だけ思いもよらないおかしな出会いもあるものだから。 けれど結果的には嬉しいかたちで予想を裏切られ、普段は冷静でシニカルな夫も素直に興奮していた。そして長い時を経てボトムラインの思い出と再会したことを、彼は大いに喜んだ。 Time goes by. Life goes on. 時間とともに街は変わる。けれど心の中にある青春時代の風景は、決して色褪せ消えゆくことはない。 Rum Boogie Cafe John Mayall…
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Moments #3: Sun in the Twilight
In Memphis, TN there is the sun that shines in the twilight. After the shop was closed and all those tourists were gone, Somehow you hear people laughing, instruments playing, And some of them singing under the sun. Sounds so familiar. Could be him, maybe them. But you never see how they’re doing under…