Tag: Snow
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Moments 23: かわいい雪国~Snowville Baby
旭川、12月のよく晴れた朝。気温は-10℃。 ニューヨークも雪は降るが、やはり北海道の積雪には適わない。そして雪国文化に触れたのも旭川に移ってきてからのことで、5年経った今もそこここで新しい発見に出会えるから毎年冬の訪れが楽しみだ。 これまでに知った「北海道の冬」の中でも群を抜いて可愛らしいのが、これ。今、下の写真を見てくださっている方もきっと、笑顔になっておいでのことでしょう。お人形みたいでしょう? お母さんが小さい子供をそりに乗せてお買い物に出かける光景。子供は、これもまた雪国の風物詩、フード付きのふかふかなスノースーツを着てそりから落ちてしまわないように、上手にバランスを取って座っている。お行儀が良くて、かわいくてたまらない。どんな気持ちで乗っているのか、見るたび車を降りて聞きに行きたい衝動に駆られる。 実はそりに載せるのは子供だけでなかったりする。最低気温が-20℃にもなる旭川では路面の凍結は日常茶飯事で、重たい荷物を持って歩くことがとても大変なのだ。 そこでスーパーマーケットでも売っている小さなそりに買い物袋を載せて家路を歩く。足元が滑りやすくても比較的楽に歩を進めることができるという。 またこの季節がやってきた。冷たい北風の中を歩いていく姿は気の毒にも思えてしまうが、見ている方は心がやわらかになる。 あまりの愛らしさに、気を取られてしまわないよう気をつけなければ。
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Frosted
“Winter Wonderland” by Macy Gray 週間天気予報に雪だるまのマークが並ぶようになってきた。 窓の外は、今も静かに雪が降っている。 私の住む旭川は北海道の中央より少し北、内陸の町であるが、この周辺一帯に降る雪はさらさらのパウダースノーで知られ、特に旭岳を中心に世界中からスキー客が訪れる。 ゆえに通常はこのように着雪することの少ない雪質であるが、冬の初め、終わり、気温の高い雨交じりの雪の翌日にはこんな美しい世界を見せてくれたりするのだ。 街中の木々がまるでフロストシュガーをまぶしたように雪に覆われると、どんなに気温が低くても散歩気分になる。ただし、気分になる、だけである。 旭川は、12月から2月にかけて日によっては-20℃を下回るが、以前-26℃の朝に無謀にも夫と二人散歩に出たところ、6枚着重ねたにもかかわらずあまりの寒さに5分と歩けず、すぐ近くのカフェに逃げ込んだのだった。 あれはもう、寒いという言葉では形容しきれない。 冷たい、痛い、キキキ、カカカ、ティティティティ、クヒクヒクヒ、そんな感じである。 我が家のバルコニーにも、砂糖菓子のような雪の結晶がひとつ、舞い降りた。 北海道に来て冬がもっと好きになったのは、見事な雪の結晶を見る楽しみを得たから。 長い長い道北の冬が始まった。さて、どこへ行こう。何をして遊ぼう。
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Moments 21: 旭岳600m地点~秋と冬の境
10月下旬、起きると町が白くなっていた朝、ふと山の様子を知りたくなって隣町・東川町の北海道の屋根「旭岳」まで走ってみることにした。我が家から車で50分ほどだ。 北海道の雪は人気のニセコのみならず道北の内陸もまたさらさらのパウダースノーで知られるが、冬の初めはまだ水分を多く含むため、道内テレビ放送局のニュースキャスターは「東京の雪」と紹介していた。 朝は路面も真っ白だったがお昼前にはすっかり溶けていた。雪も降り、今年の紅葉もいよいよ見納めの頃を迎えた。 秋が、もう少し長ければいいのに。 程なく前方に車の雪下ろしをしている男性を発見。上はかなり積もっているもよう。 木々の枝に雪が載って少しずつ冬が見えてくるも、まだ秋と言えなくもない。 ぐんぐん車を走らせていく。そして。 秋と冬の境は、600m地点を超えた辺りにあった。 時折薄日が差すと、この光がまるで雪をふうっと吹きかけ、木々を白く染めていくかに見える。自然でなければつくることのできない美しさ。 新しい季節の入口に立った気分。 「標高800m辺りからぐっと景色が変わるよ」という夫の言葉は確かなのだが、今シーズンは私たちの出足が遅かったようだ。 秋は600mで終わり、800mの辺りはもう12月が来たかのよう。 標高1500m地点、ロープウェイ駅に到着。 小雪の舞い散る駅周辺は-6℃、森は長い冬の眠りに就いた。 日本で一番早く冬の訪れる旭岳。屋根の氷柱もだいぶ伸びて、スキー客を出迎える準備は着々と進んでいる。 私はこれを確認して、さあ、冬から晩秋へと逆戻り。